「君はまだ残業しているのか PHP文庫 Kindle版」吉越 浩一郎 (著) 発売日 : 2012/1/5
を読みました
残業を減らすために、ということでかなり有名な本ではないかなと思います
過去にも読んだことがあって、「吉越式デッドライン経営塾」をタイトルを変えての販売でKindleしか基本購入しませんので、こちらを手に取りました
10年前の時に衝撃を受けたのを覚えておりますが、あの衝撃はどこへやら結局は残業の日々を送ってきた、今度こそということで手にとりました
著書についてはアマゾンより抜粋
92年、トリンプ・インターナショナル・ジャパン代表取締役社長就任。スピードと効率重視のユニークな制度を次々と取り 入れ、19年連続の増収増益を達成

著者の有名なツールはデッドラインです
覚えておいてください。問題解決のみならず、あらゆる仕事をするうえで、 デッドラインほど重要なものはほかにない のです。
大事な仕事を優先し、その仕事にデッドラインを決めて死守することで、締め切り効果を発揮して効率を上げます
人間の仕事のキャパシティは、「能力×時間×効率」 で決まります。
奥様がフランスの方だったと思いますが、その影響で残業ゼロを目指し見事に達成します
著者紹介にあるとおり、残業ゼロを達成しながら社長の間は増収増益を達成しているわけですから、敏腕経営者としか言い様がありません
まさに生産性を高めているわけです

早朝会議とか、黙って働く時間とか、様々な面白い取り組みをしており、こんな社長がいるところでこそ働きたいと思わせてくれます
残業ゼロ系の本を読んでいて思うのは、残業ゼロは効率化であり、集中力が必要であり、実は働く人にとっては大変な環境でもあるということ
残業ゼロがいいなというのは表面上の話です
教員がブラック残業を繰り返しているのは、結局のところ、デッドラインを死守するような働き方をするのがいやだから、だらだらと働いて時間を使って仕事をやっていると思います
吉越さんが校長だったら残業が減るとともに、効率化も進むかわりに、教員を時間あたりの仕事量が一気に増えたでしょうね
デッドラインがあるからこそ、社員はやるべき仕事が明確になり、緊張感や集中力も高まって、仕事の効率は格段に上がるのです。

それがいいかどうかで、私が知る限りでは、教員はだらだらと働いているのだと思います
もちろん、それだけではないのも知っています
ここまでの覚悟を持ってやり遂げる管理職がいれば職場から残業がなくなるかもしれません
が、ここまでの覚悟を持てるかというと、結局は持てない管理職ばかりです
公立の管理職は自分の代では何も変えたなくないと思っていますから・・・と批判ばかりしても仕方ありませんが、そう言いたくなるような立派なトップ論を語ってもくれていて、社会人としては一度読んでおく価値のある本です
何が会社にとって正しいのかを論理的に考え、なおかつ判断に至るスピードが速く、決断する勇気を持ち、責任をとる覚悟がある。そして、その判断が圧倒的に正しい。
そう、トップはこれらすべての点で組織内の誰よりも秀でていると証明して見せなければならないのです。「この人の指示に従っているかぎり会社が道を誤ることはない」と部下に納得してもらわなければなりません。

もちろん、著者自身が退職後に書いていると思われるので、令和によむと時代錯誤に感じる部分はあるかもしれませんが、それでも色あせることのないトップとしての矜持と、残業をなくし生産性を上げることを具体的に語ってくれています
いかに集中する時間を作ることができるか、いかに生産性のある仕事だけに取り組むことができるか、このへんが鍵ですね
教員にとって生産性の高い仕事は何で、低く捨てるべき仕事は何でしょうか
それを考えて実践するだけで、大きなアドバンテージになるはずです
自分にとっては、学級通信とか行事で生徒の写真を撮るとか、教室に華やかな掲示物をするとか、そういったものは生産性のない仕事だと考えています
本書を読んでハッとさせられるのが、退職後のことです
残業が現役時代のライフを侵食しているせいで、ライフだけになる 定年後の生き方の準備ができない。
だから、定年になった途端、まるで刑務所から戻った人みたいに、何をやっていいかわからなくなってしまうのです。このことの恐ろしさに、いい加減気づかなければなりません。

今のことしか見えず、しかも残業まみれで仕事=人生となっていると、退職後の準備が全くできていないことを指摘されます
吉越さんは退職後こそ「本生」、本当の人生だと言っておられます
なるほどなと気づかされます
仕事さえしていればいいやと考えること自体が間違っていて、残業をするデメリット
若いうちから、仕事もして、プライベートも充実させて、人生を満喫してリタイヤ後の人生をきちんと考えておかないといけないと気づかされました



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